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CRISPR-Cas9 勉強会

Seiya Kobayashi

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

4/25日に東北大学の土内憲一郎様をお招きして、「ゲノム編集が開く未来〜CRISPR/Casの可能性〜」というタイトルで話題のCRISPR-Cas9の勉強会を行いました。

私自身、生物学的な知識は全然ないので誤字や説明不足などはご了承ください、、、

社内オフィスで開かれたのですが、社員、アルバイトそして外部の方も参加しました。第二回などあった時は是非参加してください!

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< ゲノム基礎知識 >

参加者の多くがエンジニアやデザイナーの方で生物学の知識がない人のために、はじめにゲノムの基礎知識を学びました。

1. DNA、遺伝子、ゲノムの違い。
この三つは似たようなもので、呼び名が違うだけくらいに思っていましたが、厳密には違いました。

簡単に説明すると、

DNA    -> 遺伝情報を記憶している物質そのもの

遺伝子 -> DNAの中で特定の情報を持つ部分

ゲノム ->遺伝子 + 他の全遺伝情報 です。

2. 突然変異の種類

大きく分けて遺伝子突然変異と染色体突然変異があります。

遺伝子突然変異はDNA複製時(細胞分裂前にDNAを複製することで分裂できる)の複製ミスや、放射線などの物質から影響を受けるケース。

染色体突然変異は染色体構造の変化によって生じる変異です。

CRISPR/Cas9では染色体構造を変化させることができ、それで機能を停止させることができる。

3. DNAの塩基配列

アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトニン(C) からなる配列。
例えば、
AUG GAG GAC ・・・ UAA
のように3つで一つの組になっています。(AUGを開始コドン、UAAを終止コドンと呼ばれ、はじめと終わりを表す。)

よって、1つが欠失するだけでほとんど機能を失います。
また、別の1つ(ex. T) を挿入することで、
AUG GTA GGA C・・・ UAA
と全く別の配列となってしまいます。
CRISPR/Casで欠失や挿入を行うことができ、遺伝病の原因となるDNAの機能を失わせることができるというわけです。

< CRISPR/Cas9 >
いよいよ本題のCRISPR/Cas9の話です。
簡単に言うと、gRNA(ガイドRNA)が特定の位置を探しだして、Casタンパクが対象のウイルスDNAを切断したり、その間に別の遺伝子を挿入したりできます。

以前から存在していた ZF, TALEN というゲノム編集技術はタンパク質そのものをデザインするためどちらも高価(1ペア数十万)かつ、正確とは言いがたいものでありましたが、
CRISPR/CasはgRNAをデザインするため安価(2000円程度)かつ簡便であることで一気に実用的になるのではないでしょうか。

人、マウス等に対してはgRNAをデザインするwebサイトがすでに存在していたりと実用的になるのも近いかもしれません。

ゲノム編集が簡便になることで、難治遺伝子病治療が可能となったり、
他にもどんな革新が起きるかとても楽しみですね!!

もちろんまだまだGene Driveなど興味深いお話をたくさん聞くことができました!

< 参加者の感想 >
これまでのZFNやTALENのようなゲノム編集技術においては、タンパク質のデザインコストが大きなネックでした。
しかし、CRISPR/Casという低コストの技術が登場したことにより、ゲノム編集はこれから一気にコモディティ化していくのではないかと思います。
コモディティ化によってゲノム編集の競争優位性が薄れた時に、どんな革新が起きてくるのでしょうか。
“IT Doesn’t Matter”ならぬ”BIO Doesn’t Matter”の時代に期待を感じさせる非常に面白い講演でした。
(弊社CTO 八幡圭嗣)

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< 最後に >
土内様、ありがとうございました。
Eyes, JAPANでは、今後も不定期で外部講師によるセミナーを開催してまります。
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