今までWebサイトのアクセスの集計に利用されていた「UA（ユニバーサル アナリティクス）」が、2023年7月1日をもって測定を停止するとGoogleからアナウンスがありました。
Web担当者は代わりとなるAnalytics測定ツール「GA4（Google Analytics 4）」への移行を進めているかと思います。

ユニバーサル アナリティクスのサポートは終了します

弊社でもUAからGA4に移行したサイトが複数あるのですが、データポータルでUAとGA4のアクセス数を合算したグラフを作成しようとすると正しく集計されないことが分かりました。

※データポータルとは：Googleのツール（スプレッドシート、アナリティクスなど）のデータを1箇所に集めてレポートをつくることができる無料ツールです。
公式：https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/data-studio/

GA4はUAの後継機ではなく、集計方法や集計項目の名称が異なり別のアクセス解析ツールとなっています。
その中でも集計項目の名称が異なる＝集計している関数名が異なるため、データポータルで読み込んだだけでは集計されないようです。

そこで今回はUAとGA4のデータを合計してデータポータルでグラフ化する方法についてご紹介します。

※2022年現在の機能を元にしています。

UAとGA4をデータポータルに読み込む

最初にUAとGA4のプロパティをデータポータルから選択し読み込ませます。
※Analyticsで使用しているアカウントと同じアカウントからでないとプロパティを参照できませんので必ずログインしてください。

データを結合する（Blend Data）

左がUAで右がGA4です。
項目を見て分かる通り「Month」と「Month of the year」のように項目名が異なっている場合があります。
こちらは集計時にエラーが起きることもあるので結合条件にするのは避けましょう。
要素名が共通している日にち（Date）を結合条件（Join Condition）に設定します。

今回は日にちの他に年、月ごとに新規ユーザーを集計するので上画像のように設定しました。

グラフを作る

年を軸に新規ユーザーをグラフ化しました。項目名右のTableはUA、GA4で分けられています。
しかしこのままではUAとGA4が別々のデータとして出力されており、「同じサイトの累計新規ユーザー数」としては見辛い状態です。

ここで関数機能を使います。
データポータルではデータ結合時に選んだ、日にち、年、月、新規ユーザーのデータを元に計算式を使って合算することができます。
式の中は基本的にExcelで使用する関数が使えます。

現在は別々のデータとして出力されている新規ユーザーを合算する計算式を書きました。

COALESCE( New users (Table 1), 0)+New Users (Table 2)

・Table1 … UAのデータ
・Table2 … GA4のデータ
・COALESCE … UAが計測していない時期のデータはNULLと表示される場合は0の値を返すようにしています。
この処理をしないと正しく計算ができずNULLが表示されます。

その後はSUM、TypeはNumberを選んでください。

式の名前は「New users合計」にしました。
Metricを「New users合計」に設定すると、合算された一つのグラフが出力できました。

※上のグラフの2022年は集計中。

最後に

UAからGA4に移行して合算データが作りたい方は、この計算機能を使うことで移行前と移行後の合算データを算出することができます。
今回は新規ユーザー数の推移のグラフを例に紹介しましたが、Analyticsに項目があれば様々な指標のグラフを作る事ができますので、ぜひデータポータルを活用してみてください。