医療コラム
バレット食道検査
meguro
今回紹介するのは新しいバレット食道検査についてです。
普通バレット食道の検査方法は、バリウムを飲んでのレントゲン撮影や食道内部にうがい薬やのどの塗り薬で使うヨウ素液を散布させて調べる内視鏡検査、また内視鏡の先端から超音波を発信し反射を利用する超音波造影検査があります。
しかし、新しいバレット食道検査はカプセル型の検体採取器具と免疫染色を組み合わせた新しい検査法です。
まず、バレット食道とは何なのかというと、逆流性食道炎が繰り返し、本来の食道粘膜(扁平上皮)が胃粘膜(円柱上皮)に近い粘膜に置き換わり、食道腺癌(バレット腺癌)に移行する病気と言われています。
なぜ、今回新しい検査方法が高い有用性があると言われているかというと、近年バレット食道は内視鏡的治療が可能になったことから安全で侵襲性の低く、簡単で安価なスクリーニングを行う意義が高いからです。
検査方法に用いられたカプセル型嚥下検体採取器具Cytospongeは、広がると直径3cmになるメッシュがゼラチンカプセルに詰め込まれていて、メッシュには紐がついており、患者は糸の末端を手に持ってカプセルを飲み込み、 5分間待ちます。その間にカプセルは胃の中で溶け、メッシュが広がり、5分後に喉の奥にリドカインというものをスプレーして、頸部伸展位で紐を引き、メッシュを取り出します。紐を切り落とし、メッシュを保存液の中にいれて、検査ラボに届けるというのが検査の流れです。
この検査はまだ、試験段階なので英国内の数か所でしか行われていません。検査方法が簡易になればなるほど検査率もあがり救える命が増えるかもしれません。今後、さらに改良され多くの人が使えるように期待したいです。