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文章の切れ味

beko

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

現在、Eyes, JAPAN Blog にこれまでアップロードされたエントリのデータを、以前紹介した新ブログシステム「鵞鳥の羽根ペン」(参照: 試験的導入) に移行する作業が進行中です。

単純にデータをコピーするだけではなく、誤字脱字を訂正したり、不正確な記述を修正したりといったことも同時に行っています。
こうした作業を行っていると、切れ味の良い記事とそうでない記事があることに気がつきます。
この文章の「切れ味」は多分に主観的な評価であるため、厳密に論じることはできませんが、おおまかに言って、

  • テーマが明確であること
  • テンポ良く読めること
  • 新しい観点を提供すること

といった要素が関係しているように思います。

1. テーマが明確であること

「テーマを明確にする」というのは、文章を書くにあたっては基本中の基本です。
書き始める前に、何について語るのか, どのような話の流れにするのかを、おおまかにでも良いので決めておく必要があります。

何について語っているのかが不明瞭な文章を読むほどつらいことはありません。
読み終えたところで得るものもなく、ただ時間を浪費したという虚しさだけがつのる……。
このような記事は、「特にネタがないときに執筆担当になってしまったため、無理やり文章をひねり出している」ような状況において作成されがちです。

また、それとは反対に、書き手の強すぎる場合思い入れがテーマを不明確にする要因となってしまうことも。
言いたいこと・書きたいことを思いつくままに記述していくことで話の筋道が発散してしまい、全体として何を言っているのか分からなくなっている記事も少なからず見受けられます。
自分にとって関心の高いテーマについて書く場合、「ちなみに」や「余談ですが」などは要注意フレーズです。

2. テンポ良く読めること

文章、とりわけブログ記事においては、視覚的な意味での「読みやすさ」も重要な要素です。
改行, 段落分け, 箇条書きなどを適切に行うことは、文字を追う動作の負担を軽減し、記事の内容に読み手の意識を集中させることにつながります。

また、長い文も意味を読み取る上で大きなストレスとなります。
ひとつの文の中に、「ですが」「なので」といった接続詞が 4つ以上含まれる場合は、複数の文に分割するなどの措置をとるとよいでしょう。

3. 新しい観点を提供すること

分かりきったことをただそのまま書かれても、読み手としては得るものがありません。
例えば、他サイトのニュース記事のリンク・引用だけを載せているブログが少なからず見受けられますが、読み手としては、「で、あなたの意見は?」と尋ねたくなってしまいます。
逆に、ありふれた話題であっても、それに対する書き手独自の視点からの考察があれば、それは読み物としては十分に価値がある、と言えるでしょう。

“Eyes, JAPAN Blog” は会社のブログなので、過激な意見表明や批判などを行うのは憚られますが、かといって当たり障りのないことばかり書いていても退屈です。
そうした制約の中で、「面白さ」をギリギリまで追い詰める力量が、書き手には求められます。

「切れる」ブログを目指して

新ブログへの過去記事データの移行は、この「切れ味」の良いものから順に進めています。
また、切れ味の鈍い記事に対しては、(元記事の性質を変えない範囲内で) 「研ぎ直し」を施した上で、アップロードしています。

日々新しくアップロードされる記事についても、これまで以上に「切れ味」を意識した執筆・校正を行っていくつもりですので、ご期待ください。

成田 (刃毀れがひどい)

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