デザイン
苦手克服!きれいなプレゼン資料をデザインしよう 【基礎編】
きたざわ
提案や講演のために作成するプレゼン資料。
あなたは、きれいなプレゼン資料を作ることは得意でしょうか?
営業やディレクターなどは顧客への提案時にプレゼン資料を作成することは多いと思います。
また近年LT(ライトニングトーク)や勉強会が盛んに行われるようになり、プレゼン資料を作るエンジニアも増えてきているのではないかと思います。
きれいなプレゼン資料を作りたいけど自分にはデザインのセンスや知識がないから…と思う方もいるかもしれませんが、実はポイントを抑えればきれいな資料を作ることは可能です。
そんなプレゼン資料作成に悩んでいる非デザイナーの方々に向けて、複数回に分けてプレゼン資料のデザインについて記事にまとめていきます。
今回は、きれいなプレゼン資料をデザインするときに大切な基本概念をお伝えしたいと思います。
なおこの記事は、提案・講演・勉強会など向きのプレゼン資料の作り方の記事となります。
配布用の資料などには向かないのでご了承ください。
なぜプレゼン資料をデザインする必要があるのか?
そもそもなぜプレゼン資料をデザインする必要があるのかを考えていきましょう。
プレゼンを構成する要素というものはたくさんあります。ざっと挙げてみると
- 話し方
- プレゼンの内容
- 構成
- プレゼン資料
- 身だしなみ
- 態度
- 演出
- 聴衆の雰囲気
などです。
良い印象で記憶に残るプレゼンというものは、 これらの要素のバランスが良いものが多いのではないでしょうか?
堂々と大きな声で話しをしていたり、話の内容自体がおもしろかったり、プレゼン資料がきれいなもの、なおかつそのバランスが良いと、聞いている人に良い印象を与えることができます。
すなわち「良い印象を与えることができる」という点で、デザインされたプレゼン資料は優位に立つことができます。
また、プレゼン資料は「プレゼンの内容の理解を助けるためのツール」であるといえます。
話術に自信がある方はプレゼン資料がなくても構わないと思いますが、大抵の人の場合はプレゼン資料を用意すると思います。
プレゼン資料をきちんとデザインすることで、聞く人の理解を助けるためのツールとして活躍し、より自分の話を理解してもらいやすくなります。
以上の2つの理由から、プレゼン資料はデザインをした方がいいと考えます。
ただし、プレゼンの目的は「自分の言いたいことを適切に伝えること」なので、「プレゼン資料をデザインすること」を目的にしてはいけません。
そのため、あまり時間をかけずにプレゼン資料をデザインしていくことが重要になります.
デザインの勘違い。「デザイン = すごい・かっこいい」ではない
「デザイン」と聞くと、「自分にはそんなすごいものは作れない」とか「デザインされた資料は洗練されて、かっこいいもの」と思われる方もいるかもしれません。しかし、それはよくありがちな間違いです。
そもそもデザインの意味というものは
デザイン
《名・ス他》設計。図案。意匠。また、製品の機能や美的造形を考慮した意匠計画。
(Google調べ)
です。
日本ではデザイン = 見た目のデザイン というイメージが先行しがちですが、本来は上記のような意味合いになります。
ここで言いたいことは、プレゼン資料で「かっこいいデザイン」を作る必要は全くないということです。
見た目の美しさはデザインに含まれることではありますが、あくまでも聞いている人に正しく情報が伝わり、理解してもらうことが大切で、そこには見た目の “すごさ” とか “かっこよさ”は必要ありません。
ポイントを押さえないまま「デザインしよう」と考えてしまうと、失敗してしまうことも少なくありません。
きれいなプレゼン資料をデザインするとは「人に伝わりやすい・見やすいスライドを設計する」ということなのです。
かっこいいものを作るのではなく、理解を助けるために資料の設計をするんだ!ということを覚えておいてもらえるといいかなと思います。
プレゼン資料作成の基本概念
では、どのようにプレゼン資料をデザインしていけば良いのでしょうか。
プレゼン資料をデザインするときの基本概念3つを紹介したいと思います。
1. 情報は詰め込みすぎない。
情報の詰め込みすぎを避けて、1スライドにつき、1メッセージを伝えるようにします。
伝えたいことがたくさんあるからといって1枚のスライドにいろいろと盛り込んでしまうと、本当に伝えたいポイントがわかりづらく散漫になってしまいます。
1スライドに1メッセージを絞って入れると「今話しているこの話題で何を一番伝えたいか」というポイントが明確になり、聞いている人にとってとても分かりやすくなります。
また、自分がプレゼンを作るときに「ここで何を明確に伝えたいのか」を考えて話の整理がしやすくなるので、おすすめです。
また、プレゼン資料を作っているときはあまり気がつかないですが、プレゼン1枚の大きさはスクリーンに映してみると実は狭く、パソコン上で見る場合と印象が異なります。
パソコンに向かって資料を作っているときは、モニターと自分の目の位置が非常に近く、小さな文字でも難なく読むことができます。
しかしスクリーンに映してみると、スクリーンとプレゼンを聞く人の目の位置は遠くなり、小さな文字は見づらくなってしまいます。
なので、PCの画面上で見ているプレゼン資料の見え方を信じすぎてはいけないのです。
印刷するものなら文字が小さくても許されますが、スクリーンに映して見られることを前提とするプレゼンの場合は、ごちゃごちゃと1枚に収めることよりも、1スライド1メッセージくらいのボリュームに抑えておいた方がいいと考えます。
2. KISSの法則
KISSの法則とは Keep It Short and Simple の頭文字をとったもので、「短く、シンプルに」という意味です。
1スライドに1メッセージを載せることを念頭に置き、さらにスライドに載せる内容は短く、シンプルにしていきます。
これを実践するためには、ある程度の割り切りと思い切りが必要になります。
正確な情報をプレゼン資料に載せるために、長文を入れて読ませようとしたくなることもあると思います。
1つ前でも述べた通り、PCとスクリーンでの見え方は結構違ってくるもので、PCでは何も感じなくても、スクリーンで見ると読みづらさにストレスを感じてしまうことがあります。
1枚のスライドの情報が多くなればなるほど、プレゼン資料を理解するために読み込まなければなりません。
しかし、プレゼン資料はあくまでも自分のプレゼン内容の理解を促進するためのツールでしかありません。
プレゼン資料では本当に伝えたいことだけを凝縮して載せ、あとは自分の声で話をして伝える方が良いでしょう。
例えば文章はポイントを絞って載せたり、言葉ではなく図や写真を入れた方が伝わりやす場合はそういう方法を選ぶべきだと思います。
「プレゼン資料にしっかり言葉が入ってないと、プレゼン中に話す内容が飛んでしまう!」という方は、発表者ノートに話すことをまとめて書いておくと良いと思います。
私もアドリブで話すのは苦手なので、発表者ノートに話すことを書き込んで慌てないようにしています。
3. ノイズはできるだけ排除する
まずはこの画像をご覧ください。
この画像を見て、何かしら思ったことはありませんか?
例えば「背景はなんの画像なんだろう」とか「相撲っぽいフォントだな」とか「水色の帯の中の文字はなんて書いてあるんだろう」とか、何かしら感想を持ったのではないでしょうか。
こういったものを私は「ノイズ」と呼んでいますが、「ノイズ」とは見たときに何かしらの違和感を感じてしまうもののことをさします。
ノイズは聴衆の集中力を奪ってしまいます。
上記の画像はとても極端な例ではありますが、見た瞬間に「これはなんだろう?」という違和感がプレゼン資料に混ざっていると、違和感が気になってそれについて考えてしまい、話している内容に集中できなくなってしまうのです。
そのためノイズを排除して、聴衆が違和感なくスッと見ることができるプレゼン資料を作ることが大切になります。プレゼン資料に違和感がなければ、内容に集中して聞いてもらうことができるからです。
ノイズというものはプレゼン資料にかかわらず、例えば話している途中にマイクがキーンとハウリングすることもノイズですし、いきなり画面が消えてしまったりすることもノイズの一種だといえます。
このノイズという考え方は仕事でデザインをするときも大切にしていて、いかに違和感なくして本題に集中して見てもらえるかはとても大切なことなのです。
まずはきれいなプレゼン資料をつくる3つの基本をしっかり抑えよう
今回は3つの基礎概念をお伝えしました。
この基本を覚えて実践することで、詰め込み型のプレゼン資料は卒業して、わかりやすいプレゼン資料作成の一歩を踏み出すことができます。
次回は、プレゼン資料を作る前に考えることをお伝えしたいと思います。
次の記事はこちら↓
http://www.nowhere.co.jp/blog/archives/20180803-150038.html