一言で言えば、それは「緊迫感」の差だと思うのです。
プロ野球と違って、甲子園はトーナメント形式なので、一度負けると即座に大会が終わってしまいます。
今観ているただの一試合に、選手たちが 1年掛けて厳しい練習を重ねてきたその成果が掛かっているのです。
それだけではありません。
3年生の選手たちにとっては、この甲子園が終われば引退、そして進学ないし就職という人生の大きな転機が待ち受けています。
そうなれば、ごく僅かな例外を除いて、彼らは野球をやめることになるはずです。
もちろん、引退しても週末に野球を楽しむような人も数多くいるでしょうが、それでも部活に打ち込んだ時分ほど時間と情熱を掛けて野球をすることはまず無いに違いありません。
甲子園は、そんな高校球児たちの約18年間の終着点なのです。
今観ているこの試合に負けてしまえば、彼らの野球人生にひとつの終止符が打たれることになり、そして数時間後には間違いなくどちらかのチームに敗北が訪れることになるのです。
そう考えると、どちらのチームの応援にも力が入ってしまうというものです。