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秋の実り

iwabuchi

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先日、「好きな言葉は何ですか?」という問いに対して、「特にないですねぇ。」などと何の面白みもない答えを返してしまった私でしたが、後日、そういえば私にも好きな言葉があったなぁ、と唐突に思い当たりました。
言葉というか俳句なんですが。

実るほど頭を垂れる稲穂かな

初めてこの言葉を知ったのはいつ、どこでだったのか最早覚えていません。
おそらく中学校での国語の授業中に聞いたのだと思います。
当時のこの句に対する印象は、「何を言ってんだ、当たり前だろう。」でしたが、最近になってこの句に対するイメージががらりと変わりました。

この句は、重みを感じるほどに実った稲穂のようすに、”大成しても驕らず、常に謙虚な姿勢でいること”、という意味を重ね合わせています。
私はこの意味に気付いたとき、昔の人はうまいこと言うものだと感心し、同時にその奥ゆかしさに憧れを感じるようになりました。

今は驕ることなど到底できない新米の身ですので、この句を体感するような経験はそうそうありませんが、年を重ねれば私でも人の上に立つ機会があるかもしれません。
そのようなときこそ、この句を思い出し、謙虚で平穏に暮らしていければよいと思います。

岩渕

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