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論理的思考のススメ (1)

beko

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

一般に、ある命題

PQ (“P ならば、Q“)

に対して、

QP (“Q ならば、P“) を「
¬P → ¬Q (“P でないならば、Q でない”) を「
¬Q → ¬P (“Q でないならば、P でない”) を「対偶

といいます。

さてさて、ここで重要となってきますのは、以下の2点:

(1) 命題とその「逆」および「裏」の真偽は必ずしも一致しない。
命題が正しくても、その逆 (裏) が正しいとは限らない。(逆は必ずしも真ならず)
命題が誤っていても、その (裏) も誤りとは限らない。
(2) 命題とその「対偶」の真偽は常に一致する
命題が正しければ、その対偶も正しい。
命題が誤りならば、その対偶も誤りとなる。

(1) が分かってない人はかなり多いようです。
「これは○○○○ということ。逆に言えば、△△△△だ。」
「これは○○○○ということ。裏を返せば、△△△△だ。」
よく、こんな言い方 (○○○○が正しいので、△△△△も正しい) をする人がいますが、これは誤りです。
○○○○の部分が正しいとしても、その逆や裏が正しいとは限りません。(勿論間違っているとも限りません。別の問題として議論する必要がある、ということです。)
まぁ、大抵の場合「逆に言えば~」や「裏を返せば~」は全然逆や裏になっていないわけですが。

(2) についても知らない人が多いようです。
ある命題が正しいかどうかを確かめる手立てのひとつは、その対偶を考えてみることです。 (「対偶」はもとの命題と真偽が一致するため、対偶が正しければもとの命題も正しいことが分かる。)
「こいつの言ってること、なんだかおかしいゾ?」
というときは、その主張の対偶をとってみましょう。

論理的な思考や判断は、兎角「理屈っぽい」とか「冷たい」と取られがちです。
けれども、考え方の違う人間同士が了承しあうために必要なのが理論であり、理屈なんじゃないだろか?
なんてコトを、最近は考えてたりしています。

担当: 成田 (屁理屈担当)

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