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その本には、書き込み権限がある

yahata

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

本というものには、書き込み権限があります(*1)。
そう、本は読むだけではなく、書き込むことだってできるのです。

私は普段、本にメモを書き込みながら読みます。
メモを書く理由はまあ色々ありますが、一番大きな理由は「後で読み返した時に、メモを書いた時のことを思い出すことができる」から。本を読んだ時に得た知識や感動・ひらめきが、メモをトリガーにして想起されるのです。

というわけで、今月読んだ本の中から何冊かを選んで、メモを掘り返してみました。

1. 禅とオートバイ修理技術

少し難しいですが、理性・感性、主観・客観というものに対する考え方が大きく変わる本です。

筆者は著書の中で、以下のように述べています。

ここで理解しておくべき重大なことは、このときまでは精神と物質、主体と客体、形相と実体という区別はなかったことである。こうした区別は後に弁証法によって創造されたものにすぎない。近代精神は、こうした二分法を造られたものであるとは考えたがらず、「本来そこにあったものを、ギリシャ人が発見したのだ」と言う。

物事を0か1かで捉える思考法は「二分法」と呼ばれ、いわゆる論理的な話をしようとする際には無意識のうちに使っていると思います。しかし、この「二分法」というのは人間によって造りだされたものであり、物事の本質を誤って捉えてしまう(捉えさせてしまう)危険性があるのですね(*2)。

このページを読んでいた時、その事実にハッキリと気づくことができて、ひどく感動した覚えがあります。

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2. Web制作者のためのCSS設計の教科書

モダンなCSS開発のためのトピックが山盛りの良書です。

CSSを書いていると、要素を垂直中央揃えにしたいという需要が結構出てくるのですが、みなさんはどんな実装をしているでしょうか。
ネガティブマージンを使ったり、line-heightを使ったり、table-cellを使ったり、flexboxを使ったり、色々やり方があると思います。

このページでは、要素の垂直中央揃えに関して(個人的に)目から鱗のテクニック(*3)が紹介されており、思わず「すごい!!」とメモを残してしまいました。

CSSも仕様書をきちんと読まないとなあ…という感じです。

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3. 数学ガール ゲーデルの不完全性定理

数学ガールシリーズの第三部「ゲーデルの不完全性定理」です。

全ての論理は、元をたどれば公理の組み合わせから推論を行うことによって生まれます。つまり、前提となる公理が間違っている限り、いくら正確な推論を重ねたとしても、たどり着く答えが間違っている可能性があるということです。

人の話を聞いている時に「なんとなく正しいことを言っている気がするんだけど、なんか納得できない…」と感じたら、公理と推論の両方が正しいかどうか、よく耳を澄ましてみると良いかもしれません。このメモはそんなことを考えながら書き込みました。

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4. UMLモデリング入門

まだ読み終わっていませんが、大学時代の研究室の先輩にオススメされて購入しました。

ソフトウェア開発では、人間の頭のなかにある概念を具体化し、実装に落とすというプロセスが必要です。
概念を具体に変換するのはとてもデリケートな作業です。うまく変換できないと、具体化した瞬間にかなりの情報が欠落してしまいます。

この本自体も、UMLモデリングという「概念を具体化する作業」を扱っているのですが、このメモもまた然りです。

本の内容から理解したことを元に図を書いてみると、さらなる発見があるかもしれません。

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本を読み取り専用のまま眠らせておくのはすごくもったいない。
ちゃんと書き込みをしながら本と付き合っていけば、そのうち実行可能になってくれるかもしれませんね(*4)。

担当: 八幡(1click購入つよい)

*1 厳密には、本が書き込み権限を持っているわけではなく、本を読んでいる人が書き込み権限を持っている。

*2 誤った二分法

*3 position: absolute; の指定で要素が上下左右中央配置になる理由

*4 ファイルパーミッション

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