ハードウェア
IchigoJamの表現能力を強化する「PanCake」
shimizu
今回は、IchigoJamのグラフィックとサウンド機能を大幅にパワーアップする「PanCake」という拡張ボードを紹介します。
PanCakeとは
前回の記事で、「拡張基板が亀の子のように重ねて接続できるようになっている」としたとおり、個別のハードウェアを繋げることでIchigoJamを中心として様々な機能を付加することができます。PanCakeもそういったパーツの1つで、画面描画と音声再生の表現力を向上できます。IchigoJam単体と比較すると、次のような違いがあります。
【IchigoJam単体】
・グラフィック
・キャラクターベース
・白黒表示
・サウンド
・BEEP音によるメロディー再生×1チャンネル
【IchigoJam+PanCake】
・グラフィック
・16色カラー表示可能
・ピクセル単位の描画(直線、円)
・スプライト表示(最大15個、回転・反転)
・組み込み背景画像の表示(8種類)
・サウンド
・4チャンネル同時メロディー再生
・4種類の音色
こうやってスペックを並べてみるとワクワクしますね(笑)
実際に使ってみた
PanCakeのプリント基板キットを入手して組み立ててみました。
出来上がったPanCakeをIchigoJamの上にピンを重ねて差し込み、IchigoJamに電源、ビデオ、キーボードを接続します。さらに、PanCake上の端子にビデオ、音声のケーブルを接続します。IchigoJamとPanCakeでデュアルモニター構成になる訳ですね。(ジャンパーピンの設定により、1つのモニターで切り替えて表示することもできます)
IchigoJamからのPanCakeの制御ですが、「IchigoJamでPanCake向けのコマンドを『PRINT』すると、シリアル経由でPanCakeに伝わり、コマンドに応じた動作をする」という非常にシンプルな仕組みになっているため、簡単にプログラムすることができます。例えば「PRINT “PANCAKE LINE 00 00 10 0A 01」という命令を実行すると、「画面上に白い線が引かれる」という結果になります。(省略記法を使うと「?”PC LINE 00 00 10 0A 01」と書けます)
また、メロディーを再生するには「ドレミファソラシド」を「CDEFGAB>C」のようにMMLで書きます。
ということで、試しにサンプルプログラムを作ってみました。
コードを打ち込んで実行すると、背景画像の上に花のアイコンがいくつか表示され、「咲いた咲いたチューリップの花が」のメロディーが鳴り、何かキーを押すと止まります。
10 'サイタ サイタ 20 ?"PC RESET 30 ?"PC SPRITE START 01 40 FOR I=0 TO 9 50 ?"PC SPRITE CREATE 0";I;" 4E 60 ?"PC SPRITE MOVE 0";I;" ";RND(9)*5;" ";RND(5)*5 70 NEXT 80 ?"PC MUSIC SCORE 00 00 60 $>>C~D~E~R~C~D~E~R~G~E~D~C~D~E~D~R~ 90 ?"PC MUSIC SCORE 01 00 60 $>C~D~E~R~C~D~E~R~G~E~D~C~D~E~D~R~ 100 ?"PC MUSIC SCORE 02 00 63 $CECECECECECECECECECECECE<G>G<G>G<G>G<G>G< 110 ?"PC MUSIC SCORE 03 00 61 $<CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC<GGGGGGGG 120 ?"PC MUSIC PLAY 01 130 IF INKEY()==0 GOTO 130 140 ?"PC MUSIC PLAY 00
上記のサンプルは非常に簡単なものですが、PanCakeの機能を活用することで公式サイトに掲載されているようなアクションゲームも作成できるとのことです。
[youtube width=”425″ height=”240″]https://www.youtube.com/watch?v=LjZ03dL1wjA[/youtube]
おわりに
IchigoJamにPanCakeを組み合わせることで、さらに制作の幅が広がると思います。
詳しいコマンドリファレンスは公式サイトで参照できますので、気になった方はぜひチェックしてみてください。