思考・考察
モヤモヤする「手作り」の定義
kojima
「手作りはどこから手作りになるのか」
みなさん「手作り」の定義について、明確な回答を持っていますか?
気になって調べてみたのですが、これだ!という定義がないようでyahoo!知恵袋など様々な回答がされています。
国語辞書では下記のように書かれています。
“機械を使わないで、手で作ること。店で買わないで、自分の手で作ること。また、その物。”
ということは、私がデザイナーとして日々パソコンでカチカチとマウスで作っているデザインや、休日のDIY(木のカットにパネルソーという機械を使う)や既に織られた布を買ってミシンで犬用の洋服を作るのは手作りではない…?(デザインを手作りと言ってしまうのはなんだか恥ずかしいけど…)
私の想像では作業工程の何%かが機械で、何%かが手作業であれば「手作り」となるのかと思い、その%を調べたのですが、そもそもそれぞれの主観なのではないか、という意見もあり、手作りについては今もなお各方面で議論が盛んに行われているようです。
海外の「手作り」事情
例えば「手作り料理」
アメリカやカナダでは「買ってきたものでもオーブンで温めなおせば手作り」だそうで、
「私が作ったの!」と言ってしまうそうです。
またフランスでは今年こんな認証制度ができました。
手作りの定義は?仏レストランの新「自家製」認証、基準に異論も
http://www.afpbb.com/articles/-/3024344
フランス料理はユネスコの無形文化遺産に登録されており、国内の飲食店向けに「自家製」の認証制度を設けたそうです。これまで食品卸業者から購入した調理済みのデザートなどでもメニューに「自家製」と明記している店が多かったそうですが、今後は「自家製」「手作り」という表現は規制の対象になり、違反すると経営者は2年の禁固刑か罰金(約4000万円…!)と重い罪になるようです。近頃の日本も食品の産地偽装が盛んにニュースに流れていますね…(ちょっと違うけど)
この制度では、お店のシェフが一から料理しているレストランには鍋と屋根をデザインした「fait maison(自家製)」の新ロゴマークをお店に掲示できるようです。
ウチは自家製ですよ、とこだわりを強調できますね。
出典:http://www.afpbb.com/articles/-/3024344
しかし、ここでも「未調理の冷凍食材が自家製の料理として認められてしまうではないか」という意見もあるようで、フランスの「手作り」問題は根が深いようです。
「手作り」の向こう側
さて人は「手作り」という言葉に何を求めているのでしょうか。
食べ物やモノに「健康的」「人の手がつくったという精神的なあたたかさ」「愛情」「こだわり」「人にやさしい」「世界にひとつ」「オリジナティ」といったことを期待してているようです。
はじめは、どの程度機械か、1回でも手が入っていれば手作りではとも思ったのですが、先に挙げたような「手作り」に対する「ユーザーの期待が満たされるもの」が「手作り」であってほしいと思うようになりました。
これもまた、定義とは言いづらいですが、そういった価値を提供できるものが「手作り」と名乗ってほしいですね。
たくさん異論があるかと思いますが…
今回のブログに明確な答えは用意できませんでしたがみなさんに疑問に思ってもらって、すっきりする定義を一緒に考えてほしいな、という意図で書かせていただきました。
もし良い答えがみつかったら教えていただければと思います!すっきりしたい…!
担当: 小嶋(DIY楽しい)