イベントレポート
3D & バーチャルリアリティ展のレポート
sakai
先週の19(水)~21(金)にかけて、東京ビッグサイトで開催されました3D & バーチャルリアリティ展(IVR) に行ってまいりました。1日目は、出展ブースを周り、2・3日目は、株式会社クレッセントさんのブースでお手伝いをしておりました。私自身、大型の技術系のイベントに参加するのは今回が初めてで、非常に緊張気味ではありました。
今年の IVRですが、車やメーカー、玩具などの「産業」にどのように製品を活かすかが大きな課題(テーマ)となり、その中でもブースが「3D プリンタ」、「3Dスキャナ」、「モーションキャプチャー」、「MR」の全部で大きく4つに分かれておりました。
昨年から3Dプリンタの低価格化が進みそれと同時に利用者の数も増えて来ており、今では知っていて当たり前という程のものになりました。3Dプリンタのブースですが、プリンタ自体は、例えば人間の顔をプリントする際、細かな顔のシワなどもかなり素早く表現できるようになり、また昨年数千万もしたプリンタが数百万に値下がりしているなど、ここ1年だけでも技術の進歩や低コスト化が大きく見られました。さらにそれだけでは終わらず、どのようなメーカーと契約、提携すべきかもまた一つ重要視されました。まず、プリントして出力されていたものですが、建築物や車のパーツなどのCAD から作られたものが非常に多かったです。これは、実物つくる前に縮小された製造物のプロトタイプを確認して、実際のものをどのように設計するかなどのシミュレーションや確認などで利用されます。この辺は、医療で3Dプリンタを取り扱っている杉本先生の手術のトレーニングに似ているものがあります。その他にも、他社の企業とコラボして企業同士で制作した製品を組み合わせるというやり方もまた見られました。例えば、ある3Dプリンタの企業では、玩具メーカーで有名なバンダイさんとコラボレーションして、「大人の超合金」シリーズの「アポロ11号」「スペースシャトル エンデバー号」などの発射台をプリントして、玩具本体とセットで売ってたりもしております。これらのことから、お得意様の企業と契約を結び、今後大きな売上を得ていくということで、どの3Dプリンタを扱ったの企業も、技術や営業などの面で非常に競争的な場面がありました。
3Dスキャナのブースについて
より細かく素早く読み込み、より低価格で扱いやすものを提供しお得様の企業と契約を結ぶなど、こちらも3Dプリンタと同様に競争的な場面が多く見られました。特に、建築物と車のパーツをスキャンをするための製品が多く見られ、日本においては大型産業で活躍されるかと思います。その中でも、一眼レフカメラに3Dスキャンできる技術に特に驚きを感じました。まず、一眼レフカメラにUSB経由で、特殊な振幅周波数を帯びたブルーのレーザー照射機器つなげ、レーザーを立体物に照射し一眼レフカメラでレーザーに奥行を計測して立体物を捉えるというものです。一般家庭用でも発売するは予定あるか聞いてみたところ、一応視野には入れているとのことでした。大きな期待を感じますね。
モーションキャプチャーについて
モーキャプに関しましては、この発想はなかったという場面が多くありました。光学式モーキャプ用カメラ、マーカーを車やラジコンヘリに取り付け、を運転中自動車そのものの動きや、ラジコンヘリやAR.Drone を用いてヘリの動きを撮影したり、車のボンネットに通気性の良いゴムマットを置いて、その上に大量のマーカーを取り付け、運転中の車の空気抵抗の計測、シミュレーションに利用するというアイデアでした。普段私は、人体や動物などの、生物などのモーションを撮影していることがほとんどでしたので、自分の中で囚われていた常識が完全に覆された気持ちで、モーキャプの無限性を知った瞬間でもありました。今は、モーションキャプチャーで何でもできると感じております。会社で管理しているIT植物工場にマーカーを取り付けて、植物を成長記録をとるのもイイですね!!
MR について
今年のIVR の中で最も注目をあびた技術です。まずMRとは、「Mixed Reality」 の略称で、キヤノンITソリューションズが開発しました現実世界とCGをリアルタイムに違和感なく融合させる映像情報処理技術です。現実世界の情報の豊かさとCGの柔軟性を生かすことで、CGのみで表現するVRより一歩進んだ映像世界を提供することができます。これだけですと 、「AR(拡張現実)一緒なのでは?」という疑問を抱くかと思われます。AR と違うところはシステムの原理にあり、HMDに内蔵された左右一対のビデオカメラによって現実世界を撮影しその映像をPCへ送ると、画像処理や位置・姿勢センサー、あるいはその両方を組み合わせた位置合わせ技術により、PC内のCGと現実世界の映像を高精度に融合し、HMDに搭載された小型表示ディスプレイに表示され、先進的な技術を結集した光学システムで小型表示ディスプレイの映像を拡大し、臨場感のある立体映像をユーザーの眼に届けることができるのです。 さらに、位置・姿勢合わせはジャイロセンサーもそうですが、MR専用のマーカーと光学式モーションキャプチャーシステム(Vicon)を使うことで高度な位置合わせを可能します。ジャイロセンサーが理由としましては、ただ単に完璧で正確な位置を測ることができないからです。これらを踏まえると、「VR」、「AR」、「ステレオ3D」、「モーションキャプチャー」、その集大成が「MR」になるかと思われます。
主に使われるケースもいくつか存在します。1つは、社内打ち合わせで、例えば自動車産業ですと、テーブル上に仮想の自動車を置いて、設計や製造、パーツの細かな部分、カラーバリエーション、オプションパーツなどの確認や運転中の空気抵抗などのシミュレーションが確認することも可能です。1つは、プラント設計で、建物内のレイアウトを決めるとき(例えば、工場内の配管や製造ロボットの配置位置など)や、レイアウトをしていく中で実機によるトレーニングを行う前に、安心と安全を追求する研修作業をシミュレーション、検証することができます。最後は、より臨場感のエンターテイメントも提供することが可能です。3次元で置いたARマーカーから立体物や映像を見ることができ、またMRマーカーなしでも様々な方向から3次元の立体映像を楽しむことができます。例えば、博物館に展示されてある一部の骨格化石から、立体映像で恐竜を復元してみたり、ステージ上であたかも現実で俳優が演技しているかのような映像(例: 4D Views で撮影したもの等)を流すことも可能です。また、MRマーカーを設置せずとも、モーションキャプチャーでキャリブレーションした位置情報からでも映像を流すことも可能です。
やはり、新しい技術ということもあってか、体験会も長い行列できており多くの観衆を浴びてましたね。
感想
1日目の感想ですが、東京ビッグサイトには何度か行ったことはあり、大体の位置は把握しているのですが、最初に申しましたとおり、初めて技術系のイベントに参加したため右左も分からない状態で、ただひたすら様々な技術やアイデアに感動することがほとんどでした。やはり、同じ場所で留まっているとアイデアも膨らみませんし、外に出て体感してみることで様々な知識を得ることができるというのを改めて実感しました。
2・3日目ですが、東京の大型イベントで出展者の立場になるという、これまたかなり貴重な体験をすることができました。クレッセントさんのブースでは、キヤノンさんと共同で、「MR」を用いた新製品「MReal」とクレッセントさん独自で開発したヘッドマウントディスプレイの体験イベント、独自で開発したプラグインとソフト、Viconの展示を行っており、私はヘッドマウンドディスプレイの方のスタッフとしてお手伝いさせて頂きました。お客さんも多く来られ、休んでいる暇もなく忙しい状態でしたが、これも初めての経験でしたのでとても楽しんで仕事をすることができました。来られるお客さんも幅広く、主に映像業界、Web ベンチャー系、アトラクションサービス、ゲーム業界のかた達が特に受けの良かった印象がありました。クレッセントさん、貴重な体験を本当にありがとうございます!!
酒井(個人的に、ペンタブでお世話になっているWACOMブースに行ってメモ帳と紙袋をもらえたことも嬉しかったです)