雑記
しょうらいのゆめ
beko
さて、私も同じ幼稚園の出身だったので、この文集の 1ページを飾っているはずなのですが、何分10年近く前の話です。
当時自分が何を書いたかなど覚えているはずがありませんでした。
変なこと書いていませんように、と祈りつつページをめくり続けていると、ついに私の名前が現れました。
そのページには、例によってミミズののたくったような字で、
かいしゃいんになりたい
会社員。
5歳児の夢としてそれはどうなんだろう。
ここはもっと大口を叩くべきところではないのか。
運動は苦手だったのでスポーツ選手系は潔く諦めるにしても、「はかせになりたい」だの「けんきゅうしゃになりたい」だの、より相応しい夢ははいろいろあるのではないか。
会社員は夢というよりもむしろ人生設計だろう。
14歳の私から5歳の私へ、そんなクレームが送られました。
懐かしい日の思い出です。
翻って、今の社会情勢を見てみましょう。
ニートやフリーターという言葉が社会に定着し、サブプライム問題、金融危機、世界的大不況という言葉が連日新聞を飾っています。
今この星には、会社員という身分を求めて行動しつつも、それが得られなくて泣いている人が、いったいどれだけいることでしょうか?
14歳の私より、5歳の私の方が先見の明に優れていたと言わざるを得ないでしょう。
したがって、「かいしゃいんになりたい」は将来の夢として適切です。
幼子が何気なく放った一言が、物事の本質を突いていることもあるので面白いものですね。