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エンジニアの聴力

beko

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ドンブリ勘定

機械部品の故障は、他の部品との接触や、内部抵抗の増加 (あるいは短絡) によるものが殆ど。
それらの現象によって部品は変形・破壊されて正常に動作しなくなり、結果的にシステム全体が機能不全に陥るわけです。
この変形・破壊の際に生じるエネルギーの一部は「音」として周囲に放出されます。
構造内部で発生した音は、破壊が起こす他の現象 (見た目の変化や熱の発生) よりも早く顕著に外部に伝わるため、システムトラブルの最初の兆候として「音」の異常として現れるケースが少なくありません。

ハードディスクが壊れるときの「キューイ」あるいは「カラカラ」といった音、モニタが映らなくなる前の「プツプツ」といった音がその例。
完全に壊れる前であっても、異常な動作によって失われたエネルギーは音となって私たち耳へと届きます。
(もちろん、すべてのものが壊れる前に音を出すというわけではありませんが。)

コンピュータに限らず、機械類全般、さらには生き物の身体でも同じことが起こるため、エンジニアや医師は「音」を異常検出のための重要なファクタとして位置付けています。
この音による検知能力は、耳の感度だけでなく、「音を積極的に聴く」「異音がないかに気を配る」といった姿勢に依るところが大きいようです。
集中力や気分を高めるために、仕事中にイヤホン・ヘッドホンで音楽を聴くという人が増えてきていますが、少なくともエンジニアとしてはあまり好ましい習慣ではないでしょう。

担当: 成田 (音痴は関係ないっ!!)

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