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PanCakeのファームウェアを更新

shimizu

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

20170228_01
以前の記事でIchigoJamと組み合わせてグラフィック、サウンド機能を拡張できる「PanCake」を紹介しました。先日、このPanCakeの最新版ファームウェアが公開されましたので、PanCakeの実機に書き込んでみました。

PanCakeのファームウェア更新には、PanCakeのCPUを取り外してブレッドボードに取り付けた上で行う方法もありますが、今回はPanCakeのCPUを取り外さずに行う手順で進めてみます。

用意するもの

  • PanCake
  • IchigoJam
  • USBシリアル変換器・ジャンパー線
  • 書き込むファームウェアファイル(公式サイトで配布されています。今回は「Ver1.1.1」)
  • 作業用PC(今回はMac)

「PanCakeのファームウェアを書き換えたいのに、なぜIchigoJamも使うのか」と思われるかもしれませんが、「PanCakeには直接USB給電できないので、電源をIchigoJamからもらうため」に使うことになります。

アップデート手順

1. 以下の図のように、PanCake・IchigoJam・USBシリアル変換器をジャンパー線で接続します。

20170228_03

一点注意が必要なのは、PanCakeのGNDとISP端子を結線する方法です。上図の左上に、何やら宙ぶらりんの線が見えますね。PanCakeのCN2ソケットにある「ISP」はCPUには繋がっていないのでここには差しません。ファームウェアの書き込み時に、GNDから伸ばしたジャンパー線のもう一方の先端をCPUのISPピンに接触させます。

20170228_02

IchigoJamには、電源用のmicroUSBケーブルを差しておきましょう。まだ電源スイッチはOFFのままです。

3. IchigoJamのCPUであるLPC1114のファームウェアを書き込むツール、lpc21ispをインストールします。今回はmacOSですので、Homebrewからインストールすることができます。

$ brew install lpc21isp

4. lpc21ispを実行して、ファームウェアの書き込みを開始します。オプションの「/dev/tty.SLAB_USBtoUART」は、使用しているUSBシリアル変換器に合わせて記述してください。

$ lpc21isp pancake.hex /dev/tty.SLAB_USBtoUART 115200 1200

5. 上記を実行すると、「Synchronizing (ESC to abort)……..」という風に接続待ちの状態になります。

lpc21isp version 1.97
File pancake.hex:
     loaded...
     converted to binary format...
     image size : 32580
Image size : 32580
Synchronizing (ESC to abort)........

6. ここで、IchigoJamの電源を入れるのですが、この際、PanCakeのGNDから伸ばしたジャンパー線のもう一方の先端をCPUのISPピンに接触させた状態でスイッチを入れます。そうすると、ファームウェアの書き込みが行われます。

(前略)
Synchronizing (ESC to abort)...................... OK
Read bootcode version: 1
7
Read part ID: LPC1114.../102, 32 kiB FLASH / 4 kiB SRAM (0x1A40902B)
Will start programming at Sector 1 if possible, and conclude with Sector 0 to ensure that checksum is written last.
Erasing sector 0 first, to invalidate checksum. OK
Sector 1: ...........................|.........................|.........................|.........................
Sector 2: ...........................|.........................|.........................|.........................
Sector 3: ...........................|.........................|.........................|.........................
Sector 4: ...........................|.........................|.........................|.........................
Sector 5: ...........................|.........................|.........................|.........................
Sector 6: ...........................|.........................|.........................|.........................
Sector 7: ...........................|.........................|.........................|.....................
Sector 0: ..........................|.........................|.........................|.........................
Download Finished... taking 16 seconds
Now launching the brand new code

7. これでファームウェアの書き込みが完了し、晴れて新しいバージョンとなりました。PanCakeのビデオ端子にディスプレイを接続すると、作業前は「1.0」だったバージョン表記が「1.1」となり、更新されたことが確認できます。

20170228_04

なお、起動した直後の画面に表示される「1.1」の表記を見る以外に、書き込まれているファームウェアのバージョンを後から確認する方法は用意されていませんので、例えば「1.1なのか、1.1.1なのか」が区別できません。忘れないように、どのバージョンを書き込んだのかをメモしておくと良いと思います。

おわりに

以上、PanCakeのファームウェアアップデートをご紹介しました。IchigoJamの場合より多少複雑ですが、新バージョンが公開された際はこの方法で更新することができます。今後のバージョンアップに期待していきたいと思います!

参考文献

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